【完全版】養老保険のすべてのパターンとそれぞれの特徴 – アクチュアリーが解説

養老保険のパターン基礎知識

保険業界でアクチュアリーとして働いていた筆者が、養老保険の種類とそれぞれの特徴について解説します。

すべてのパターンを知らずに購入を決めてしまうともしかしたら損をしてしまうかもしれません。

是非養老保険のすべての種類を把握したうえで、後悔しない保険選びに役立てて頂ければと思います。

養老保険とは?

養老保険とは死亡した場合、または高度障害になった場合に死亡保険金が支払われることに加え、満期まで生存した場合も同額の満期保険が支払われる生命保険です。

保険期間は契約時に定めた一定の期間となり、解約しない限りは死亡保険金か満期保険金を受け取ることができるため、貯蓄性の高い商品になります。

単に養老保険といった場合は保険金額は保険期間にわたって一定で変わらないものを指します。保険期間によって増加する場合は単に養老保険と呼ぶことはなく、特殊養老保険といった別の呼び方をします。また学資保険は養老保険の仲間ですが、特徴が異なりますので別の記事にまとめたいと思います。

なお、定期保険や終身保険は保険金額増加するタイプ(逓増型)の場合、通常のタイプとは加入目的が異なる場合が多いのですが、養老保険の場合は大きく変わりませんので、特殊養老保険についても本記事で取り扱うことにします。

なお、高度障害とは何かについては以下の記事で解説をしています。

養老保険の種類の一覧

ひとくちに養老保険といってもさまざまな種類があります。いくつかの分類がありますのでそれぞれについて解説をします。

歳満期型と年満期型

まず代表的な分類は歳満期型と年満期型です。

歳満期型とは保険期間の終わりが年齢によって決まっている養老保険です。32歳加入で60歳満期の養老保険など保険期間が半端な年数になることがあります。

年満期型は保険期間の終わりが年数によって決まっている養老保険です。32歳加入で10年満期の養老保険など満了時の年齢が半端な年齢になることがあります。

なお、50歳加入で60歳満期の定期保険はどちらであるとも解釈できます。

全期払型と短期払型

次に代表的な分類は終身払型と全期払型です。これは保険料の払い方による分類で、短期払型は保険料の払込が特定の年齢や一定の期間で終了するタイプで、全期払型は保険期間と保険料払込期間が同じタイプです。

なお、契約と同時に保険料を全額払い込む一時払は短期払の最も極端なタイプとご理解ください。

払込期間が短くなればなるほど保険料は高くなっていき、より貯蓄性が高まっていきます。

円建と外貨建

次に代表的な分類が通貨の種類です。

外貨建養老保険は払い込まれた保険料を外国の通貨建で運用する保険です。安定的な通貨である米ドル建や豪ドル建、ユーロ建など円に対して値動きが比較的安定している通貨を選んで加入できます。

日本は現在超低金利のため養老保険のような期間があまり長くない保険では高い予定利率を設定することには限界があります。

一方で外貨であれば相対的に高い金利が付与されている場合がありますので、為替変動を無視すれば払い込んだ保険料に対して大きな保障を得ることができます。

しかしこの為替の変動は多くの場合無視できません。安定している通貨を選択しているとはいえ予定利率以上に変動することが多くあります。

当局も外貨建保険の販売について注意喚起や規制強化をしているところですが、その理由は為替リスクによって意図せず損をしてしまう方が多いためです。

もちろん保険会社側にも説明責任があるわけですが、損をしてからお金が戻ってくることはないと考えて、自己防衛をする必要があります。

ですので外貨建保険を購入する場合は、ドルコスト平均法などの外貨投資の手法を学ぶことや、過去の為替チャートなど参考に保険料の払込方法と資産の残高の関係をシミュレーションしてみることをお勧めいたします。

通常型と特殊養老型

特殊養老保険とは保険会社の中でもいくつかの会社しか取り扱っていない商品で、死亡保険金額よりも満期保険金額が大きいタイプです。

このタイプは満期保険金が大きいため、保険期間の途中で解約返戻金額が死亡保険金額をこえます。このため、それ以降も死亡保険金が変わらないと解約した方が得になってしまいますので、死亡保険金が解約返戻金に合わせて増加していくことになります。

このときの増加の方法として、死亡保険金を解約返戻金と同額とするタイプと解約返戻金を上回るように逓増させた金額とするタイプがあります。

いずれにせよ、特殊養老保険は通常の養老保険よりも貯蓄性が高いタイプの商品になります。

まとめ

養老保険には上記のようなさまざまな種類があります。

2つの型×4つのパターンがありますので、理論的には8種類あることになります。

養老保険を選ぶうえで重要なことは上記の商品性と返戻率や税額控除の関係を考えることが重要です。しかし、実際に養老保険を選ぼうとするとどれがじぶんに合っているのか、どういった基準で損得を判断すべきなのかがわからなくなることがあるかもしれません。

そういった今まさに養老保険を検討されている方向けに、養老保険の選び方についてチェックリストなどを用いてわかりやすく解説しているページもご用意しております。

是非こちらもご参考にして頂ければと思います。

近日公開予定

また、その他の保険の種類についても解説をしているページを設けていますので、是非そちらもご覧いただければと思います。

  • 定期保険
  • 収入保障保険
  • 終身保険
  • 変額保険
  • 変額年金保険
  • 逓増定期保険と逓増終身保険
  • 医療保険① 入院保障
  • 医療保険② 手術保障
  • がん保険
  • 就業不能保険
  • 障害保険
  • 介護保険
  • 認知症保険

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